「Aランクは高い。でもBやCは傷が心配」
中古の iPhone を選ぶとき、最後に迷うのがランクだ。A と B でいくら違って、その差額は何に払っているのか。調べても「数千円」としか出てこない。
筆者は中古スマホを扱う店で、店頭に出す前の最終チェックをしている。それとは別に、大手7社の在庫を毎日集めて検索できるサイト(中古スマホ一括検索)を自分で運営している。この記事は、その在庫 iPhone 30,333台を2026年10月2日に集計した結果だ。
この記事の結論
| 見るもの | 結論 |
|---|---|
| A と B の差 | 約5,000円(同じ店・同じ機種・同じ容量で比べた中央値) |
| B と C の差 | 約6,000円 |
| ランクの付け方 | 店で違う。ゲオは A が71%、にこスマは19.5% |
| ランクとバッテリー | ランクでは決まらない。じゃんぱらとソフマップは A と B でほぼ同じ、にこスマは機種による |
| 買うなら | 先にバッテリーの数値で絞り、その中でランクを選ぶ。ケースを付けるなら B |
【値段の差】A と B で約5,000円、B と C で約6,000円
比べ方はこうだ。同じ店の中で、機種と容量が同じ在庫を、ランクごとに中央値で並べる。両方のランクに5台以上ある組だけを使った。店をまたいで比べないのは、後で書くとおり、ランクの基準が店ごとに違うからだ。
| 組の数 | 差の中央値 | 半分が収まる範囲 | |
|---|---|---|---|
| A と B | 223 | 5,000円 | 2,675〜7,000円 |
| B と C | 146 | 6,000円 | 4,000〜9,000円 |
組が作れたのは5社で、ダイワンテレコムとエムモバは在庫が少なく入っていない。店ごとに見ると、A と B の差は約3,800〜6,000円、B と C の差は約3,700〜8,000円だった。
| 店 | A と B の差 | B と C の差 |
|---|---|---|
| にこスマ | 5,000円(4.5%) | 5,800円(7.9%) |
| イオシス | 5,000円(5.7%) | 7,000円(10.0%) |
| じゃんぱら(楽天) | 6,000円(6.0%) | 8,000円(12.0%) |
| ソフマップ(楽天) | 4,241円(8.4%) | 3,745円(10.0%) |
| ゲオモバイル(楽天) | 3,839円(5.3%) | C ランクなし |
(イオシスは、バッテリー80%未満とネットワーク利用制限▲の個体を除いて集計した。)
ランクが1つ違うと、値段は5〜12%変わる。A から C まで2段下げると、店によって8,000〜14,000円違う。
具体的な機種で見る。iPhone 14 の128GBはこうなっている。
| 店 | A | B | C |
|---|---|---|---|
| イオシス | 64,800円 | 59,800円 | 52,800円 |
| にこスマ | 68,400円 | 62,300円 | 55,400円 |
| ソフマップ(楽天) | 70,137円 | 64,334円 | 59,059円 |
| ゲオモバイル(楽天) | 69,069円 | 65,615円 | — |
| じゃんぱら(楽天) | 73,980円 | 69,980円 | 60,980円 |


【同じ「A」ではない】ゲオは A が7割、にこスマは2割
上の表を横に見て「じゃんぱらの B よりイオシスの A のほうが安い」と考えるのは早い。ランクの付け方が、店ごとに違うからだ。
各店の iPhone の在庫が、どのランクに何割あるかを出した。
| 店 | 未使用 | A | B | C | 在庫 |
|---|---|---|---|---|---|
| ゲオモバイル(楽天) | 1.9% | 71.4% | 26.7% | — | 8,416台 |
| ソフマップ(楽天) | 0.5% | 54.5% | 37.1% | 7.9% | 4,365台 |
| じゃんぱら(楽天) | 3.7% | 28.9% | 36.5% | 30.9% | 8,901台 |
| イオシス | 4.5% | 27.7% | 43.6% | 24.2% | 2,400台 |
| にこスマ | — | 19.5% | 45.9% | 34.6% | 5,863台 |
| ダイワンテレコム | — | 9.3% | 48.5% | 42.2% | 268台 |
ゲオは在庫の7割が A で、にこスマは2割しかない。仕入れている端末がそこまで違うとは考えにくい。物差しが違うと見るのが自然だ。
定義を読むと、理由が分かる。
| 店 | 段階 | B の定義(要約) |
|---|---|---|
| ゲオモバイル(楽天) | S・A・B | 液晶に爪が引っかかる傷、画面焼け、凹みも含む。小さなヒビ割れを含む |
| にこスマ | A・B・C | 直径1mm以下の小傷が少し(目安は5つ以下)。画面割れなし |
| イオシス | 未使用・A・B・C | 目立つ傷はなく、経年劣化相当の使用感 |
| じゃんぱら | 未使用・A・B・C・D | 比較的良好で、多少のキズ |
| ソフマップ | S〜E | キズ・汚れあり、状態良好 |
| ダイワンテレコム | S・A・B・C | 擦れ痕・傷があり、経年の使用感あり |
ゲオのスマホは3段階で、B がいちばん下だ。他の店なら C に入る傷も、ゲオでは B になる。逆に、にこスマの B は「1mm以下の小傷が5つ以下」とかなり狭い。
つまりこうなる。
- ゲオとソフマップでは、A が「普通の中古」
- にこスマ・イオシス・じゃんぱらでは、B が「普通の中古」
ランクの文字ではなく、その店で上から何番目かを見る。ゲオで B を買うのと、にこスマで B を買うのは、同じ買い物ではない。
業界団体のガイドライン(リユースモバイル・ジャパン)は S・A・B・C・J の5段階を定めていて、画面のガラスに割れや欠けがあれば C 以下にするとしている。ただ、上の表のとおり、各店の段階の数も名前も揃ってはいない。
【ランクとバッテリー】ランクでは決まらない。店と機種で違う
「A のほうがバッテリーも良いはず」と考える人は多い。これも確かめた。バッテリー最大容量を数値で出している3店について、128GB の在庫を店ごと・ランクごとに分け、最大容量の中央値を出した。
| 店・機種 | A | B | C |
|---|---|---|---|
| じゃんぱら・iPhone 13 | 83% | 83% | 77% |
| じゃんぱら・iPhone 14 | 84% | 84% | 78% |
| じゃんぱら・iPhone 15 | 85% | 84% | 82% |
| ソフマップ・iPhone 14 | 82% | 82% | 83% |
| ソフマップ・iPhone 15 | 83% | 84% | — |
| にこスマ・iPhone 14 | 90% | 86% | 85% |
| にこスマ・iPhone 15 | 91% | 91% | 85% |
じゃんぱらとソフマップでは、A と B のバッテリーはほぼ同じだった。A を選んでも、バッテリーが良くなるわけではない。
にこスマは機種で違う。iPhone 14 は A が90%、B が86%で、A のほうがはっきり良い。90%以上の個体は、A では半分あるのに、B では1%しか無い。ところが iPhone 15 は、A も B も91%で変わらない。
C は、じゃんぱらで目立って低い(iPhone 13・14 で77〜78%)。
これは筆者が検品していて感じていることと合う。店頭に出すまでの作業のうち、外装の傷を見るのは「値段が合っているか」を確かめるためで、ランクの根拠はそこにある。タッチ、カメラ、バッテリーは別の作業だ。値札のランクは、外装の話しかしていない。ランク A でもバッテリーが弱い個体はあるし、ランク B でも元気な個体はある。
だから順番はこうなる。先にバッテリーの数値で絞り、その中でランクを選ぶ。ランクからバッテリーを推し量ることはできない。
バッテリーの見方は、中古iPhoneの買ってはいけない個体と狙い目に詳しく書いた。
【どれを買うか】ケースを付けるなら B。5,000円は外装の代金
ここまでをまとめると、A と B の差額5,000円で買っているのは、主に外装のきれいさだ。バッテリーは、ランクではなく個体で決まる。
筆者の結論はこうだ。
ケースとフィルムを付けて使うなら、B を買う。背面と側面の小傷は、ケースを付ければ見えなくなる。5,000円あれば、ケースとフィルムを買ってもお釣りが来る。
ケースを付けずに使いたい人、人に贈る人は A。外装に払う理由がある。
C は、定義を読んでから。B との差は6,000円あるが、C には画面の傷が入ってくる。業界のガイドラインでも、画面に目立つ傷があるものは C だ。画面の傷はフィルムを貼っても消えない。にこスマは C でも「画面割れなし」と明記しているので、C を買うなら定義のはっきりした店を選ぶ。
そして、ゲオとソフマップでは1段上げて読む。ゲオなら A を買う。定義を読むかぎり、ゲオの B は他店の C に近い。ただし値段は別で、ゲオの B は他店の B より高かった(iPhone 14 で65,615円)。
B や C を買ったら、届いた日にフィルムを貼っておく。
バッテリーの数値とランクを同時に見られる店
「先にバッテリー、次にランク」で選ぶには、両方が商品ページに出ている必要がある。
| 店 | バッテリー最大容量の表記 |
|---|---|
| にこスマ | 数値(80%以上のみ販売) |
| じゃんぱら(楽天) | 数値 |
| ソフマップ(楽天) | 数値 |
| イオシス | 80%以上か未満か |
| ダイワンテレコム | 80%以上か未満か |
| ゲオモバイル(楽天) | なし |
| エムモバ | なし |
7社の在庫を、ランクとバッテリーの両方で絞り込めるようにしてある。


にこスマは本体のみの販売で、充電器は付かない。持っていなければ一緒に用意しておく。
【まとめ】
- A と B の差は約5,000円、B と C の差は約6,000円。1段下げると5〜12%安くなる
- ランクの基準は店で違う。ゲオは A が7割で、B がいちばん下
- バッテリーはランクでは決まらない。じゃんぱらとソフマップは A と B でほぼ同じ、にこスマは機種による
- 先にバッテリーの数値で絞り、その中でランクを選ぶ
- ケースを付けるなら B。ゲオとソフマップでは A
イオシスとにこスマのどちらが安いかは、イオシス vs にこスマの比較で同じデータを使って比べた。Mac と iPad は、中古MacBookの選び方と大学生に新品iPadは不要にまとめている。
参考文献
- ゲオモバイル楽天市場店 状態ランクについて ― 携帯・スマホは S・A・B の3段階
- にこスマ グレードの定義 ― A・B・C の基準
- イオシス 商品ランクについて ― 未使用品・A・B・C の定義
- じゃんぱら スマートフォンの商品一覧 ― 各商品ページの「ランクの説明」に未使用・A・B・C・D の定義
- ソフマップ 品質基準 ― S〜E の定義
- ダイワンテレコム ― S・A・B・C の定義
- リユースモバイルガイドライン 第三版 | リユースモバイル・ジャパン ― 外装評価の5段階と、ガラス割れの扱い







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