「バッテリー80%未満」と書かれた中古の iPhone が、同じ機種の通常品より1万円近く安く並んでいることがある。
安いのには理由がある。Apple はバッテリーの最大容量が80%を切ったあたりを交換の目安にしていて、店の値札もそこで変わる。では、安く買って自分で電池を替えれば得なのか。これは計算できる話なので、数字で出す。
筆者は中古スマホを扱う店で、店頭に出す前の最終チェックをしている。それとは別に、大手7社の在庫を毎日集めて検索できるサイト(中古スマホ一括検索)を自分で運営していて、この記事の数字はそこから取った。2026年10月4日の時点で、iPhone の在庫は 31,757台、うちバッテリーの数値か「80%未満」の印が分かるものが 22,889台ある。
この記事の結論
| 見るもの | 結論 |
|---|---|
| 80%未満の個体はどれくらいあるか | 数値の分かる在庫 22,889台のうち 2,025台(8.8%)。iPhone 13 は 4台に1台、13 Pro・13 mini は 3台に1台 |
| いくら安いか | 同じ機種・容量・ランクの 80%以上より、イオシスで 5,000〜15,000円、じゃんぱらで 0〜5,000円(逆転する組もある) |
| 電池を替えるといくらか | Apple の保証外料金は iPhone 11〜13 で 15,600円、14〜17 で 17,200円(2026年10月5日) |
| 損か得か | Apple で替えるなら、計算した全部の組で損。 値引きより交換費用のほうが大きい |
| 非正規の店で替えるなら | 13 で 6,600円、14 で 8,800円の店がある。計算上は 1,200〜5,650円の得だが、店の保証を捨てることになる |
| 80%以上を買うなら | じゃんぱらとソフマップは、数値が高くても値段が変わらない組が多い。数値の高い個体を探すならこの2店 |
結論を先に言えば、80%未満は買わない。安く見えるぶんは、電池を替えた時点で消える。以下、順に数字を出す。
【80%未満とは】Apple の目安で、店はそれに合わせて値札を変えている
iPhone の「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態」に出る最大容量の話だ。Apple は、iPhone 14 以前はフル充電サイクル500回、iPhone 15 以降は1,000回を繰り返しても本来の容量の80%を維持するよう設計している、と書いている(Apple サポート)。裏を返せば、80%を切ったバッテリーは、Apple の想定した寿命を使い切っている。AppleCare+ も、容量が80%を下回った場合に無償で交換する決まりになっている。
中古店の扱いは、店ごとに違う。
| 店 | 80%未満の扱い | 数値の表示 |
|---|---|---|
| イオシス | 商品名の先頭に【バッテリー80%未満】と付けて、通常品より安く売る。それ以外は80%以上 | 出ない(80%以上か未満かだけ) |
| じゃんぱら | 売っている。商品ページに「バッテリー容量:74%(06月時点)」のように数値と時点 | 出る |
| ソフマップ | ほぼ売っていない(在庫 5,407台のうち 80%未満は5台) | 出る(測定日つき) |
| にこスマ | 売らない(80%以上の iPhone だけを扱うと明記。在庫 5,904台に80%未満は0台) | 出る |
| ゲオモバイル | 不明。商品にバッテリーの表記が無い(中古iPad の記事で確認した) | 出ない |
| ダイワンテレコム | 「80%以上」の印。数値のあるものは少ない | 一部 |
店の保証やランクの基準の違いは7社の比較にまとめてある。

ここで大事なのは、ランクとバッテリーは別ということだ。ランクA・B・C は外装の傷の話で、バッテリーは別の工程で見る。だから「Bランクの80%未満」も「Aランクの80%未満」も普通にある。このあたりはランクA・B・Cで値段はいくら違うかに書いた。
【どれくらいあるか】iPhone 13 は4台に1台が80%未満
数値か印の分かる 22,889台のうち、80%未満は 2,025台(8.8%)。店別に見るとこうなる。
| 店 | 数値の分かる在庫 | 80%未満 | 割合 |
|---|---|---|---|
| じゃんぱら | 9,098台 | 1,368台 | 15.0% |
| イオシス | 2,400台 | 605台 | 25.2% |
| ソフマップ | 5,407台 | 5台 | 0.1% |
| にこスマ | 5,904台 | 0台 | 0% |
イオシスの4台に1台が80%未満、というのはイオシス vs にこスマの比較で書いた「安く見える理由」そのものだ。じゃんぱらは割合こそ低いが、台数では一番多い。表に無い残りの店(ダイワンテレコムなど)を合わせて 2,025台になる。
機種別に見ると、13 系と 14 Pro、11 に多く、15 以降と SE(第3世代)は少ない。
| 機種 | 数値の分かる在庫 | 80%未満 | 割合 |
|---|---|---|---|
| iPhone 13 mini | 494台 | 173台 | 35% |
| iPhone 13 Pro | 429台 | 137台 | 32% |
| iPhone 14 Pro | 366台 | 102台 | 28% |
| iPhone 11 | 421台 | 118台 | 28% |
| iPhone 13 | 1,200台 | 293台 | 24% |
| iPhone 12 | 978台 | 129台 | 13% |
| iPhone 14 | 2,032台 | 163台 | 8% |
| iPhone 15 | 1,668台 | 54台 | 3% |
| iPhone SE(第3世代) | 3,729台 | 88台 | 2% |
iPhone 13 系と 14 Pro は、3〜4台に1台が80%未満だ。15 と SE(第3世代)はまだ少ない。
80%未満といっても、どこまで減っているのかは気になるところだろう。数値の出るじゃんぱらの 1,368台で見ると、75〜79% が 923台、70〜74% が 382台、70%未満が 63台。大半は80%をわずかに切ったところにいる。
ついでに書いておくと、80%以上の在庫も、数字はそれほど高くない。数値を出している3店(にこスマ・じゃんぱら・ソフマップ)の iPhone 13 は、80%未満も含めた中央値が82%で、80%以上に限っても、83%の個体が85%未満だった。中央値は iPhone 12 も82%。14 で86%、15 で87%、16 で91%。13 以前の機種を中古で買うなら、「80%以上」の中でも下のほうが大半だと思っておいたほうがいい。

【いくら安いか】イオシスで 5,000〜15,000円、じゃんぱらで 0〜5,000円
同じ機種・同じ容量・同じランクで、80%未満と80%以上の値段(中央値)を並べた。どちらも5台以上ある組だけを使っている。
イオシス(80%未満は商品名の印で判定)
| 機種・容量・ランク | 80%未満 | 80%以上 | 差 |
|---|---|---|---|
| iPhone 11 64GB B | 24,800円 | 29,800円 | −5,000円 |
| iPhone 12 64GB B | 25,800円 | 30,800円 | −5,000円 |
| iPhone 13 mini 128GB B | 33,800円 | 42,800円 | −9,000円 |
| iPhone 13 128GB A | 45,800円 | 54,800円 | −9,000円 |
| iPhone 13 128GB B | 39,800円 | 47,800円 | −8,000円 |
| iPhone 13 128GB C | 35,800円 | 42,800円 | −7,000円 |
| iPhone 13 Pro 128GB B | 58,800円 | 69,800円 | −11,000円 |
| iPhone 14 128GB B | 49,800円 | 59,800円 | −10,000円 |
| iPhone 14 Pro 256GB B | 77,800円 | 92,800円 | −15,000円(80%未満は5台) |
| iPhone 15 128GB B | 73,800円 | 82,800円 | −9,000円(80%未満は5台) |
値引きの幅は、値段の 11〜21%。高い機種ほど金額は大きい。14 Pro と 15 は80%未満の台数が5台しか無いので、金額は目安として見てほしい。
じゃんぱら(数値で判定。80%未満 と 80〜84% を比べた。5台以上ある組は全部載せた)
| 機種・容量・ランク | 80%未満 | 80〜84% | 差 |
|---|---|---|---|
| iPhone 11 64GB C | 27,980円 | 30,980円 | −3,000円 |
| iPhone 11 128GB C | 32,980円 | 33,980円 | −1,000円 |
| iPhone 12 64GB C | 29,980円 | 33,980円 | −4,000円 |
| iPhone 12 128GB C | 36,980円 | 39,980円 | −3,000円 |
| iPhone 13 128GB C | 45,980円 | 48,980円 | −3,000円 |
| iPhone 13 256GB C | 53,980円 | 57,980円 | −4,000円 |
| iPhone 13 Pro 128GB C | 69,980円 | 68,980円 | +1,000円 |
| iPhone 14 128GB C | 59,980円 | 62,980円 | −3,000円 |
| iPhone 14 256GB C | 66,980円 | 66,980円 | 0円 |
| iPhone 14 Pro 128GB C | 84,980円 | 79,980円 | +5,000円 |
| iPhone SE(第3世代)64GB C | 25,980円 | 29,980円 | −4,000円 |
じゃんぱらの値引きは 0〜4,000円で、80%未満のほうが高い組すらある(13 Pro と 14 Pro の C ランク)。外装のランクや付属品で値段が決まっていて、電池は値札にあまり反映されていないのだと思う。じゃんぱらで80%未満を選ぶ理由は、ほぼ無い。
【電池を替えるといくらか】Apple で 15,600〜17,200円
Apple の保証外のバッテリー交換料金は、2026年10月5日の時点でこうなっている(Apple サポートの見積りを機種ごとに出した。税込)。
| 機種 | Apple の交換料金 |
|---|---|
| iPhone SE(第3世代) | 12,000円 |
| iPhone 11・12・12 mini・13・13 mini・13 Pro | 15,600円 |
| iPhone 14・14 Pro・15・15 Pro・16・16e・17 | 17,200円 |
| iPhone 16 Pro | 21,000円 |
非正規の修理店はもっと安い。たとえば iCracked は iPhone 13 が 6,600円、14 が 8,800円、14 Pro が 9,350円と公表している(2026年8月28日更新)。ほかの店も 13 で 6,000〜10,000円の幅に収まるところが多い。
ただし非正規で替えると、電池は Apple の純正部品ではなくなる。中古店の保証も、分解した端末は対象外とする規定の店があるので、買う店の保証規定を先に読んでほしい。安いぶんの対価は、保証を捨てることだと思っていい。
【計算】値引きより交換費用のほうが大きい
ここまでの数字を足し算する。「80%未満を買って Apple で電池を替えた総額」と「最初から80%以上を買う値段」の比較だ。
| 機種・容量・ランク(イオシス) | 80%未満+Apple 交換 | 80%以上 | 差 |
|---|---|---|---|
| iPhone 12 64GB B | 25,800+15,600=41,400円 | 30,800円 | 10,600円の損 |
| iPhone 13 128GB B | 39,800+15,600=55,400円 | 47,800円 | 7,600円の損 |
| iPhone 13 Pro 128GB B | 58,800+15,600=74,400円 | 69,800円 | 4,600円の損 |
| iPhone 14 128GB B | 49,800+17,200=67,000円 | 59,800円 | 7,200円の損 |
| iPhone 14 Pro 256GB B | 77,800+17,200=95,000円 | 92,800円 | 2,200円の損 |
| iPhone 15 128GB B | 73,800+17,200=91,000円 | 82,800円 | 8,200円の損 |
計算した6組、全部が損になる。 いちばん値引きの大きい 14 Pro(−15,000円)でも、交換料金 17,200円には届かない。じゃんぱらの 0〜4,000円の値引きなら、損は 8,000円以上(SE 第3世代)から 1万円を超える。
1つだけ、この計算に入っていないものがある。替えた後の電池は 100% で、80%以上の個体(85〜95% が大半)より良い状態になる。その差に価値を見出す人なら、損の幅は表より小さい。それでも、差額がひっくり返るほどではない。
非正規の店で替える場合はどうか。
| 機種・容量・ランク(イオシス) | 80%未満+非正規交換 | 80%以上 | 差 |
|---|---|---|---|
| iPhone 13 128GB B | 39,800+6,600=46,400円 | 47,800円 | 1,400円の得 |
| iPhone 14 128GB B | 49,800+8,800=58,600円 | 59,800円 | 1,200円の得 |
| iPhone 14 Pro 256GB B | 77,800+9,350=87,150円 | 92,800円 | 5,650円の得 |
数字の上では、1,200〜5,650円の得になる。ただし、その代わりに店の保証(イオシスは3ヶ月。7社の比較で確認した)を捨て、純正ではない電池を自分で選ぶことになる。数千円のために保証を捨てる取引だと理解した上でなら、選択肢にはなる。筆者は勧めない。
もう1つ、「替えずにそのまま使う」という手もある。75〜79% の個体なら、新品の8割弱の電池として使えはする。ただ、Apple が交換の目安にしている線を最初から下回っていて、ここから先は減る一方だ。1〜2年で手放すつもりで、1日1回の充電で足りる使い方の人以外には、やはり勧めにくい。
【80%以上を買うなら】数値で値段が変わる店と、変わらない店がある
80%未満を避けるとして、80%以上の中でどう選ぶか。店によって、バッテリーの数値が値段に反映される度合いが違う。
にこスマは数値が高いほど高い。iPhone 14 128GB のランクAで、80〜84% が 66,300円、85〜89% が 67,000円、90〜94% が 68,400円、95%以上が 70,500円。5ポイント上がるごとに 700〜2,100円。15 のランクAは 89,300円 → 94,100円、16 のランクBは 115,800円 → 121,200円で、95%以上は 80〜84% より 4,200〜5,400円高い。
じゃんぱらとソフマップは、変わらない組が多い。
| 機種・容量・ランク | 店 | 80〜84% | 85〜89% | 90%以上 |
|---|---|---|---|---|
| iPhone 14 128GB B | じゃんぱら | 69,980円 | 69,980円 | 69,980円 |
| iPhone 15 128GB A | じゃんぱら | 93,980円 | 94,980円 | 95,980円 |
| iPhone SE(第3世代)64GB B | じゃんぱら | 33,980円 | 34,980円 | 34,980円 |
| iPhone 13 128GB A | ソフマップ | 59,587円 | 60,113円 | — |
| iPhone SE(第3世代)64GB A | ソフマップ | 35,489円 | 35,489円 | 36,548円 |
じゃんぱらの iPhone 14 は、80〜84% も 90%以上も同じ 69,980円だ。15 のランクAで 2,000円、ソフマップの 14 で 2,100円ほど差の付く組もあるが、にこスマの 4,000〜5,000円よりは小さい。この2店では、同じか近い値段で数値の高い個体を選べることが多い。商品ページの数値を1台ずつ見比べる手間はかかる。
数値の高い個体を店をまたいで探すなら、中古スマホ一括検索の機種ページに「バッテリー最大容量別の最安値」を置いてある。85%以上、90%以上で絞って、店ごとの値段を見比べられる。

【検品する側から】80%未満はジャンクではないが、電池は使い切っている
店頭に出す前のチェックで、バッテリーは外装のランク付けとは別に見る。80%未満の個体を外しているわけではなく、印を付けて値札を変えているだけだ。本体は普通に動く。画面も、カメラも、ランクBならBの外装だ。
ただ、電池は消耗品で、80%はメーカーが交換の目安にしている線だ。車でいえば、タイヤの溝がスリップサインに届いた中古車を、タイヤ代ぶん値引きして売っているようなもので、値引きがタイヤ代より小さければ損をする。この記事の計算は、それを iPhone でやっただけだ。
買う側として筆者が勧める順番はこうなる。
- 数値の出る店(にこスマ・じゃんぱら・ソフマップ)で、85%以上の個体から選ぶ
- 値段を優先するなら、じゃんぱら・ソフマップで数値の高い個体を探す(数値で値段が変わらない)
- 80%未満は、非正規交換と保証の放棄を自分で選べる人だけ
にこスマは80%以上の個体しか売っていないので、数値を見ずに買っても80%未満を引くことはない。保証も1年ある(お買い物ガイドによれば、バッテリーの経年劣化による不具合は保証の対象外)。
電池が新品の状態で欲しいなら、Apple の認定整備済製品が一番確実だ。Apple の説明では、バッテリーと外装が新品に交換され、1年保証が付く。在庫は少ないが、Amazon の整備済み品にも同じ機種が出ていることがある。
Amazon の整備済み品の iPhone 15。中古のAランクと値段を見比べて、近ければこちらを選ぶ。
iPhone 13 Pro の整備済み品。13 系は中古の3〜4台に1台が80%未満なので、整備済みで買う意味が大きい。
【まとめ】
- 大手7社の中古 iPhone で、バッテリーの数値か印が分かる 22,889台のうち、80%未満は 2,025台(8.8%)。iPhone 13 系は3〜4台に1台
- 80%未満は、同じ機種・容量・ランクの80%以上より、イオシスで 5,000〜15,000円、じゃんぱらで 0〜5,000円安い(じゃんぱらは逆転する組もある)
- Apple の電池交換は 11〜13 で 15,600円、14〜17 で 17,200円。値引きより高いので、替える前提なら計算した全組で損
- 非正規の交換なら計算上は 1,200〜5,650円の得。ただし店の保証を捨てることになる
- 80%以上を買うなら、じゃんぱら・ソフマップは数値が高くても値段が変わらない組が多い。にこスマは 95%以上が 4,200〜5,400円高い
どの店が安いかは中古iPhoneはどこが一番安いか(7社比較)に、バッテリー以外の見るところは中古iPhoneの買ってはいけない個体と狙い目に書いた。
参考文献
- AppleによるiPhoneのバッテリーのサービスと修理 | Apple サポート ― 保証外の交換料金(2026年10月5日に機種ごとの見積りを確認)
- iPhoneのバッテリーとパフォーマンス | Apple サポート ― 500回/1,000回のサイクルで80%を維持する設計
- iPhoneのバッテリーについて | イオシス ― 80%未満の商品名の表記
- iPhone の修理サービス料金 | Apple サポート ― AppleCare+ は容量が80%を下回った場合に追加料金なしで交換
- iPhone 整備済製品 | Apple ― 新しいバッテリーと外装、1年保証
- にこスマ ― 「バッテリー残量80%以上の端末のみ」(トップページの品質基準)
- にこスマのお買い物ガイド ― 発送日から1年の返品交換。バッテリーの経年劣化は対象外
- iPhoneのバッテリー交換 料金比較 | iCracked ― 非正規の交換料金(2026年8月28日更新)
- 中古スマホ一括検索 ― 在庫の集計元(2026年10月4日 20:34 時点・iPhone 31,757台)







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