楽天モバイルのキャンペーンがアツい。ポイントは大量にばらまかれているし、月額も大手キャリアと比べれば明確に安い。
筆者もその流れに乗って、2026年2月から楽天モバイルをメイン回線として使ってきた。そして約半年使った先週、解約した。決め手は7月末に出た3泊4日のツーリングだ。ナビが使いものにならなかった。
この記事では、実際に電波が切れた場所を全部書く。そのうえで、どんな人になら向いているのか、契約するならどう試すべきかを、忖度なしにまとめる。
なお楽天モバイルは、9月末にauローミングの終了を控えている。ここに触れずにこの話はできないので、後半で扱う。
【結論】ツーリングのメイン回線としては成立しない
先に結論を書くと、楽天モバイルは、バイクのナビとして単独で使うには穴が多すぎる。サブ回線が必須で、そうなると「安い」という最大の利点がかなり薄まる。
ただし誤解のないように書いておくと、楽天モバイルが悪いキャリアだという話ではない。都市部で大量に通信する使い方なら、これほどコスパのいい選択肢はない。向かないのはツーリングという用途のほうだ。
【実測】半年のあいだに「ここは切れた」と覚えている場所
抽象的な話をしても仕方ないので、実際に通信が使いものにならなかった場所を出す。
半年のあいだに何度かツーリングに出て、そのなかで記憶に残っているものだ。一度の遠征でまとめて起きたわけではなく、別々の機会に積み上がった。
| 場所 | 状況 |
|---|---|
| 松山市街(愛媛) | 市街地にもかかわらず通信が不安定になった |
| 旧日見トンネル(長崎) | トンネル内で完全に圏外。同じ場所でドコモは繋がっていた |
| 矢上から西山へ抜ける山道(長崎) | 山越えの区間で断続的に途切れる |
| 山陽道(部分的に) | 高速道路上で区間によって通信できず |
トンネルについては「どのキャリアでも圏外になるのでは」と思うかもしれない。もっともな疑問だ。
だが、同じ旧日見トンネルで、ドコモ回線は繋がっていた。つまりトンネルだから切れたのではなく、楽天モバイルだから切れたということになる。
そしてこの一覧で言いたいのは、「田舎だから切れた」では説明がつかないということである。
楽天モバイルのつながりにくさは、たいてい「人口の少ない山間部では弱い」と説明される。だが筆者が実際に困ったのは、市街地と高速道路を含んでいる。走行ルートの中心的な部分で落ちている。
長崎の山越えのように、いかにも弱そうな場所で切れるのは想定内だった。想定外だったのは、松山の市街地と山陽道のほうである。県庁所在地の市街地と、日本の大動脈である高速道路だ。
頻度でいうと、1日に2回
場所だけでは「たまたま運が悪かった」で片付けられてしまうので、頻度の感覚も出しておく。
2026年7月末に出た3泊4日のツーリングでは、通信が使いものにならなくなった場面が6回ほどあった。1日に2回のペースである。
半日走れば一度は困る、くらいの頻度だと思ってもらえばいい。「たまに切れる」ではなく「切れることを前提に走る」レベルだった。
【なぜ困るのか】ツーリングのナビは「事前ダウンロード」では解決しない
「地図をオフラインで落としておけばいい」と思うかもしれない。これはツーリングをしない人がよく言う。だが実際には、そう単純ではない。
- 走っている途中でルートを変えたくなる
- 目的地を現地で決め直す
- 通行止めや工事で迂回が必要になる
- 飯屋や給油所を、その場で探す
ツーリング中に通信が要る場面は、たいてい「予定になかったこと」が起きたときだ。事前に落としておけるのは、予定どおりに進む部分だけである。
そして余所者にとって、峠道や山道でナビが止まるのは単純に怖い。分岐で止まって地図を確認したくても、その分岐こそが圏外だったりする。
結局、筆者はサブ回線に切り替えて通信する場面が何度もあった。サブがなければツーリングが成立しなかったというのが正直なところだ。
【9月末】auローミング終了で、この状況はさらに厳しくなる可能性がある
ここが今いちばん大事な話だ。
楽天モバイルは自社エリアの外で、KDDIのau回線を借りて(ローミングして)通信を成立させてきた。このローミング提供は、2026年9月30日で終了する予定になっている。
2026年8月7日、KDDIは予定どおり9月末で終了する方針を示したと報じられた。KDDI側は「人口カバーを補填するという当初の役割は終えた」という見方を示している。
ただし、完全に終わると決まったわけではない。KDDIは同時に、地方(ルーラル)エリアについては配慮が必要とも述べており、エリアを限定した新たな契約が結ばれる可能性も報じられている。10月以降の扱いは、現時点では両社の協議中だ。
つまり、こういう状況である。
- 都市部は楽天の自社エリアが育っているので、影響は小さいと見られる
- 問題は自社エリアが薄い山間部で、ここはローミングで支えられてきた
- その山間部こそ、ツーリングで走る場所である
今つながりにくい場所が、10月以降さらに厳しくなる可能性がある。これから楽天モバイルをメインにしようとしている人は、9月末の結果を見てから判断しても遅くない。
【向いている人】都市部で大量に通信するなら、これ以上の選択肢はない
ここまで否定的に書いてきたが、楽天モバイルの強みは明確だ。
料金は使った分だけの段階制になっている。
| データ使用量 | 月額(税込) |
|---|---|
| 〜3GB | 1,078円 |
| 〜20GB | 2,178円 |
| 20GB超〜無制限 | 3,278円 |
なお最強家族割を使うと各段階から110円引きになり、無制限でも3,168円になる。
どれだけ使っても3,278円で頭打ちというのが最大の武器である。100GB使おうが200GB使おうが変わらない。
だから、こういう人には強く向く。
- 都市部に住んでいて、動画やゲームで大量に通信する
- 自宅に光回線を引かず、テザリングやホームルーターで済ませたい
- 通信量を気にする生活そのものをやめたい
自宅の固定回線を楽天モバイル1本に置き換えるという使い方は、条件が合えばかなり安く上がる。
ただし使う場所で実際につながるかは、必ず自分で確認すること。これは楽天モバイルに限らないが、楽天モバイルではとくに重要だ。
【契約するなら】いきなりMNPしないこと
これから試す人へ、順番の話をしておく。
メイン回線をいきなりMNPで移すのはやめたほうがいい。まずサブ回線か新規契約で楽天モバイルを引いて、実際に使う場所で試すべきだ。
- 自宅
- 通勤・通学ルート
- 職場や学校
- よく行く場所
ここで問題なく使えるなら、そのままメインに昇格させればいい。他社と比べて月1,000円ほど安くなる可能性がある。
そしてポイント還元が手厚いのも事実で、キャンペーン次第では実質無料どころかプラスになることもある。試すコスト自体は低い。だからこそ、いきなり全部を賭けずに、まず試すのが正解だと思う。
申し込む前に、自分が使う場所が楽天回線エリアに入っているかを公式のエリアマップで確認しておくこと。とくにツーリングで走る予定のルートは、見ておいて損はない。
【サブ回線】筆者はpovoを使っている
楽天モバイル一本では通信できない場面がある以上、サブ回線が要る。
筆者が使っているのはpovoだ。理由は3つある。
- 基本料が0円で、使いたいときだけトッピングを買う方式
- au回線なので、楽天が弱い場所を補いやすい
- 楽天モバイルのauローミング終了後も、au回線として独立している
とくに3つめが効く。9月末にローミングが終わったあとも、povoはau回線をそのまま使える。楽天が届かない場所を自分で埋めておける、ということだ。
ただし完全な0円運用はできないので、そこは正しく理解しておく必要がある。180日間トッピングを購入しないと利用が停止され、その後30日で契約そのものが解除される。つまり半年に一度は、何かを買う必要がある。
とはいえ、その金額は大したことがない。定番トッピングでいちばん安いのはデータ使い放題(6時間)250円だ。これを半年に一度買えば維持できるので、年500円で回る計算になる。
さらに、期間限定で「1時間110円」「2時間180円」といったトッピングが出ることがある。タイミングが合えばもっと安い。年に数百円で「楽天が切れたときの保険」が持てるのは破格だ。
そしてこの250円のトッピングは、ツーリングとの相性がいい。6時間使い放題なので、走る日の朝に買っておけば1日ぶんのナビをまかなえる。普段は寝かせておいて、走る日だけ起こす使い方ができる。
紹介コードを置いておく
povoにはおともだち紹介プログラムがあり、契約時に紹介コードを入力するとデータボーナス100GB(3日間)がもらえる(2026年8月時点)。せっかくなので筆者のコードを置いておく。使うかどうかは自由に判断してほしい。
なお正直に書いておくと、このコード経由で契約されると筆者にも3GB(30日)が入る。それが嫌な場合は、コード欄を空のまま契約しても何の問題もない。契約内容そのものは変わらない。
紹介コード: MSJR2570
ひとつ注意点がある。特典の対象は「通話+データ」プランで、データのみのプランは対象外だ。サブ回線として音声なしで持とうと考えている人は、特典が付かないことを承知しておいてほしい。
まとめ
半年使って解約した立場から、整理する。
- ツーリングのメイン回線には向かない。直近の3泊4日では6回、1日2回のペースで切れた
- 切れたのは山間部だけではない。松山の市街地と山陽道でも落ちた(半年で積み上がった記録)
- 旧日見トンネルでは、同じ場所でドコモは繋がっていた。「トンネルだから」ではない
- ナビは事前ダウンロードでは解決しない。通信が要るのは予定が崩れたときだから
- auローミングは2026年9月30日で終了予定。10月以降の扱いは協議中
- 都市部で大量に通信するなら、3,278円で無制限は依然として強い
- 契約するならいきなりMNPせず、サブか新規で試す
- サブ回線は用意しておくべき。筆者はpovo。年500円(6時間使い放題250円を半年に一度)で保険になる
楽天モバイルが安いのは事実だ。ただし「安いから誰にでも合う」わけではない。自分がどこで通信するのかを先に考えたほうがいい。
峠の分岐で立ち往生してから気づくのでは遅い。
参考文献





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