通学用のホンダ・タクトが5,000kmを超えたのをきっかけに、バイク屋任せだったオイル交換を
自分でやるようになった。工賃込みで毎回2,000〜3,000円かかっていたものが、オイル代だけで済む。
この記事では、必要なオイルの量(0.65L)と銘柄選びから、実際の交換手順、そして意外と知られていないメーターの「OIL CHANGE」表示の消し方までを、実際の作業写真つきで解説する。
【必要量】タクトのオイルは0.65L。規格はJASO MB
先に結論だけ知りたい人のために、数字をまとめておく。
| 項目 | タクト(4サイクル50cc) |
|---|---|
| 交換時のオイル量 | 0.65L |
| 規格 | API SL / JASO MB(スクーター用) |
| 純正指定オイル | 取扱説明書では ウルトラ E1(10W-30)。ただし現在は販売終了 |
| 現行の純正品 | Pro Honda SCOOTER(5W-30) |
注意したいのが、1L缶を買うと0.35L余るという点だ。次回また0.65L必要なので、1L缶では2回目に足りない。毎回1L缶を買って余りを持ち越すか、大容量缶を買って数回ぶん使うか、という選択になる。
そして純正オイル自体が変わっているので、次の章で整理する。
【おすすめ】ウルトラE1が無くなった。今のタクトには何を入れるべきか
長らくタクトの指定オイルはホンダ純正の「ウルトラ E1」だった。取扱説明書にもそう書いてある。
ところが2025年4月から、Hondaの二輪用純正オイルは「Pro Honda」ブランドへ一新され、 ウルトラ E1は販売終了になった。
後継にあたるのが Pro Honda「SCOOTER」 だ。
| 旧 ウルトラ E1 | Pro Honda SCOOTER | |
|---|---|---|
| SAE粘度 | 10W-30 | 5W-30 |
| API | SL | SL |
| JASO | MB | MB |
| ベースオイル | 鉱物油 | 部分化学合成油 |
スクーター用を意味する JASO MB が一致しており、ベースオイルはむしろ格上げされている。
★注意: 「STANDARD」と間違えないこと
Pro Hondaには STANDARD という製品もある。こちらも5W-30、同じ価格、同じ部分化学合成油で、パッケージも似ている。違いはJASO規格だけで、STANDARDは MA(湿式クラッチのマニュアル車向け)だ。
スクーターであるタクトに選ぶべきは SCOOTER(JASO MB)。Honda公式も「車種ごとにJASO規格の指定があります」と注記している。店頭でもECでも本当に紛らわしいので、JASOの2文字だけは必ず確認してほしい。
社外品を選ぶ場合の最低条件は、4サイクル用・JASO MB・API SL以上であること。2サイクル用オイルとは完全に別物なので、そこだけは間違えないようにしたい。
ちなみに、私が入れているのは純正ではない(2台持ちの都合)
正直に書くと、私自身が使っているのは純正ではなく AZの4サイクル用(10W-40 / JASO MA2 / 100%化学合成油 / 4L) だ。理由は単純で、タクトのほかにCB250Rにも乗っていて、 2台のオイル交換を1本でまかなっているからである。
| タクトの指定 | Pro Honda SCOOTER | 私が使っているAZ | |
|---|---|---|---|
| 粘度 | 10W-30 | 5W-30 | 10W-40 |
| JASO | MB | MB | MA2 |
| ベースオイル | 鉱物油 | 部分化学合成油 | 100%化学合成油 |
2台で共用するなら、選択肢はMAしかない
ここで前章のJASO規格の話が効いてくる。CB250Rは湿式多板クラッチのマニュアル車で、 指定は JASO MAだ。クラッチ板がエンジンオイルに浸かっているため、低摩擦のMBを入れるとクラッチが滑る。これは実害が出る組み合わせで、やってはいけない。
一方タクトは乾式の遠心クラッチ+CVTで、クラッチはエンジンオイルに浸かっていない。だからMAを入れても支障がない。つまり——
- CB250R(湿式)→ MAでなければならない
- タクト(乾式)→ MAでも問題ない
2台に同じオイルを使うなら、MA一択になる。 節約のために規格を無視しているのではなく、規格を読んだ結果MAになった、というのが正確なところだ。(逆に、タクト1台しか持っていないなら、素直にMBのSCOOTERを買うのが最適解である)
ただし無条件ではない。MBのほうが摩擦特性が低いぶん、MAだとスクーターでは発進時のもたつきや 燃費でわずかに不利になりうるとされる。壊れる話ではなく、性能の話だ。
粘度の10W-40についても触れておく。 タクトの指定10W-30より高温側が一段硬い。バイク用としてはごく一般的なグレードで、これで壊れるようなものではないが、指定から離れているのは事実である。その代わりベースオイルは100%化学合成油で、純正(部分化学合成油)より上位のものが入っていることになる。
コスパ: 1回あたり800円台
もうひとつの理由がこれだ。4Lで約5,000円。1Lあたり約1,250円で、100%化学合成油としては相当安い部類に入る。
| 1Lあたり | タクト1回(0.65L) | |
|---|---|---|
| Pro Honda SCOOTER | 約1,900円 | 約1,240円 |
| AZ(4L缶) | 約1,250円 | 約810円 |
タクトだけで使っても4Lで6回分。CB250Rと分け合っても、しばらく持つ。
ちなみに、昔は同じものが3,000円くらいで買えた。じわじわ上がっている。今いくらなのかは変動するので、リンク先で確認してほしい。
初めての1本なら、素直に純正のSCOOTERを買うのが確実だ。 そのうえで「複数台持っている」「毎回ケチらず替えたい」という段階になったら、こういう選択肢もある。
【道具】オイル交換に必要なものと、あると楽なもの
必須
- 12mmのメガネレンチ
- 写真のようにナットにハマるところの形状が丸になっている。
- ボルトをなめないために、信頼できるメーカーのものをおすすめする。

- 新しいエンジンオイル
- 純正なら「Pro Honda SCOOTER」
- 交換時の必要量は0.65L
- おすすめのコスパオイルも貼っておく
推奨
- オイル処理ボックス
- 古いオイルをそのままゴミに出すことはできない。
- これがあれば廃油を吸わせてそのまま可燃ごみとして捨てられる。
- (後述するが、今回私は節約のために自作した。)
- ドレンワッシャー
- ドレンボルトの下に挟むパッキン。
- マニュアルでは「毎回交換」が推奨されているが、2、3回なら使い回せる。
- オイルジョッキ
- 入れるオイルの量を計量できる入れ物。
- 正確な量を計測でき、ノズルでこぼさず注げる。
- (オイルジョッキを使わずに直接缶から入れたり、ペットボトルを使ったりもできるが非推奨。)
- パーツクリーナー
- 垂れたりこぼしたりしたオイルを掃除するためのスプレー。
- 整備するなら買っておこう。
- ニトリル手袋
- 廃油は汚いし、手につくと洗ってもなかなか落ちない。
- 怪我も防止できる。
- なお、軍手はオイルが染み込むためおすすめしない。
- ウエス
- ただの布。
- 着なくなった服などでも代用可。
お断り
念のために断っておくが、この記事の内容を実践して何か不都合が生じても私は一切の責任を取らない。
また、作業する際はこちらの純正マニュアルを参照してほしい。
オイル交換の手順
- (古いオイルを入れる容器を作る)
- 古いオイルを抜く
- 新しいオイルを入れる
(古いオイルを入れる容器を作る)
まず、古いオイルを捨てる準備をする。私は節約のために「ビニール袋数枚+新聞紙2日分」でオイル処理ボックスを自作したが、正直、後片付けが大変だった。
素直にオイル処理ボックスを使うのが賢明だ。箱を組み立てて、エンジンの真下にセットするだけで準備完了である。
古いオイルを抜く
いよいよ古いオイルを抜く。車体下部にある「オイルドレンボルト」に12mmのメガネレンチをしっかりとかけ、「グッ」と力を込めて反時計回りに緩める。

ボルトが緩んだら、下にオイル処理ボックスがあることを確認し、手でボルトを回して外す。
オイルには粘り気があるため、全部抜けきるまで5~10分ほど時間がかかる。
オイルが抜けるまでの暇つぶしに、以下の記事がおすすめだ。
ドレンボルトを締める
オイルが抜けきったら、ドレンボルトを締める。
- ボルトに付いている古いドレンワッシャーを外し、新品に交換する。(私は3回くらいまでは再利用ができる説を信じているが、自己責任で。)
- ボルトをパーツクリーナーやウエスできれいに拭く。
- 手で回せるところまでボルトを締め込む。
- 最後にメガネレンチで締める。
感覚で締めるのがどうしても怖い人は、規定の力で『カチッ』と止まるトルクレンチを使うのが一番確実で安心だ。
ドレンワッシャーを再利用する場合、ボルトに取り付ける向きに気を付ける必要がある。
以下の2点を確認し、元々付いていた向きで取り付けよう。
- ボルトの頭とワッシャーに隙間は無いか?
- ワッシャーの変形はネジ側か?

なお、向きを逆にすると以下の画像のようになる。

新しいオイルを入れる
いよいよ新しいオイルを入れる。
- オイルフィラーキャップを反時計回りに回して外す。
- 新しいオイルをオイルジョッキで0.65L量り取る。
- ゆっくりと新しいオイルを注ぐ。(溢れないように注意)
- オイルフィラーキャップについているオイルレベルゲージでオイル量が適切か確認する
- キャップを一度抜き、ウエスできれいに拭く
- 奥まで差し込む(ねじ込まない)
- 再度抜き、オイルがゲージの上限と下限の間に付着していればOK

【消し方】オイル交換の「OIL CHANGE」表示をリセットする手順
オイルを替えてもメーターの「OIL CHANGE」表示は自動では消えない。手動でリセットする。
- メーターのボタンを押す
- 押したままキーをONにする
- そのままボタンを3秒押し続ける
これで表示が消える。オイルを替えていなくても消せてしまうので、
中古で買った個体の表示が消えている=交換済みとは限らない点には注意したい。

【最後に】アイドリングしてオイル漏れを確認する
エンジンをアイドリングさせ、新しいオイルをエンジン全体に行き渡らせる。加えて、ドレンボルト周辺からオイルが漏れていないかを確認する。
まとめ
初めてのオイル交換だったが、やってみると意外と簡単だった。バイク屋に頼むと工賃込みで2000〜3000円かかるところが、自分でやるとオイル代だけ(純正で約1,200円台、社外品なら800円台)で済む。
もちろん、工具を揃える初期投資はかかるが、オイル交換2〜3回分で元は取れる。節約になるだけではなく、自分のバイクに愛着も湧く。ぜひチャレンジしてみてほしい。
また、タクトに乗っている方に向けて、私の実燃費をまとめた記事もある。
さらなる節約: 一番大きな「維持費」を見直そう
今回のオイル交換DIYで数千円の節約に成功したが、原付を維持する上で最も大きな出費は「保険料」だ。
もし現在、単独の任意保険に加入しているなら、複数の保険会社を比較することで年間数千円〜1万円以上も保険料が安くなる可能性がある。オイル交換で手を汚して数百円を切り詰めるより、一括見積もりを一度試す方が圧倒的にコスパが良い。
無料で最短3分で終わるので、メンテついでにスマホからサクッと固定費の見直しをしておこう。






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