Radeonで画像生成AIを動かす際、これまではWeb UI(A1111)が主流だったが、最近は動作の軽さや拡張性からComfyUIへ移行するケースが増えている。
また、RadeonでStable Diffusionを動作させる方法として「ZLUDA」もあるが、こちらは非公式かつコンパイルが必要、しかも遅いと三拍子揃っているため採用を見送った。一方、ROCmはAMD公式がサポートしており、継続的にアップデートが続けられている。
そこでこの記事では、Radeon RX 9070 XT環境にて、WSL2等を使用せずにWindowsネイティブでComfyUI + ROCm7.1.1を用いた構築手順を解説する。Windowsで最速のStable Diffusion環境を作りたい人の参考になれば幸いである。
前提・動作環境
この記事は2026年1月現在の情報であり、AI分野は情報の陳腐化が早いため以下の内容が古くなっている可能性も十分にある。あくまでも「現時点での導入方法」として読んでほしい。
陳腐化の一例として、以前はROCmがLinuxにしか対応しておらず、WindowsではZLUDAを用いた方法が(DirectMLより)速いとされていた。しかし現在ではROCmはWindowsにネイティブで対応しているため、更に高速に動作するようになっている。
また、この記事では以下の構成で動作確認をしている。これ以外の環境では動作確認していないのであしからず。
| 項目 | スペック/バージョン |
|---|---|
| GPU | Radeon RX 9070 XT 16GB |
| CPU | Ryzen 9 7900X |
| RAM | DDR5 64GB |
| OS | Windows 11 24H2 |
| AMD Software | 25.20.01.17 |
| HIP SDK | 6.4.2 |
| ROCm | 7.1.1 |
| Python | 3.12.10 |
| PyTorch | 2.9.0+rocmsdk20251116 |
| ComfyUI | 0.7.0 |
用語の解説
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| Stable Diffusion(SD) | AI画像生成の仕組みそのもの。 |
| SD Web UI(A1111) | AUTOMATIC1111氏が作成した、AI画像生成を行うための操作ツール。 |
| ComfyUI | ノードベースのAIの画像生成ツール。A1111と比べてVRAM使用量が少なく、生成速度も速い。 |
| ROCm | Radeon Open Compute。AMDのGPUで計算を行うためのプラットフォーム。NVIDIAでいうCUDA。 |
| HIP SDK | ROCmの一部分。NVIDIAでいうCUDA Toolkit。 |
事前準備
Gitのインストール
開発者の皆様ならインストール済かと思うが、未導入の場合は以下のリンクからインストールしてほしい。

Pythonのインストール
Pythonは必ず3.12.10を導入すること。
内部で動いているPyTorchが3.12にしか対応していないため。また、3.12のインストーラーが提供されている中で最新バージョンが3.12.10である。
他の記事ではPATHを通すように書かれているが、今回はpyコマンドを使用するため必要ない。(もちろん追加しても問題ない。)


GPUドライバの更新
ROCm7.1.1を動作させるために特別なドライバが必要である。
事前に既存のドライバをDDU等でアンインストールすることが推奨される。(筆者の環境では上書きインストールでも問題なかった。)


HIP SDKのインストール
ROCmを構成するSDKだ。以下のリンクからダウンロードしてインストールできる。


インストール手順
ComfyUIのダウンロードと仮想環境の作成
ComfyUIをダウンロードしたいディレクトリをターミナルで開く。マルチバイト文字(日本語など)を含まないディレクトリにしよう。
ComfyUIをダウンロードし、Pythonの仮想環境を作成する。複数バージョンのPythonがインストールされていても、pyコマンドを使用することでバージョンを指定できる。(筆者はvenvを使用しているが、condaやuvなどお好きなツールを使用してOK。)
git clone https://github.com/comfyanonymous/ComfyUI.git
cd .\ComfyUI
py -3.12 -m venv venv
.\venv\Scripts\activateターミナルの行頭に(venv)と表示されれば成功。以降、この仮想環境の中で作業する。
ROCmとPyTorchのインストール
pipコマンドを使用してROCm関連ライブラリをインストールする。コピペしやすいように1行にしているが、合計4つインストールしている。
pip install --no-cache-dir https://repo.radeon.com/rocm/windows/rocm-rel-7.1.1/rocm_sdk_core-0.1.dev0-py3-none-win_amd64.whl https://repo.radeon.com/rocm/windows/rocm-rel-7.1.1/rocm_sdk_devel-0.1.dev0-py3-none-win_amd64.whl https://repo.radeon.com/rocm/windows/rocm-rel-7.1.1/rocm_sdk_libraries_custom-0.1.dev0-py3-none-win_amd64.whl https://repo.radeon.com/rocm/windows/rocm-rel-7.1.1/rocm-0.1.dev0.tar.gz次に、torch、torchvision、torchaudioをインストールする。
pip install --no-cache-dir https://repo.radeon.com/rocm/windows/rocm-rel-7.1.1/torch-2.9.0+rocmsdk20251116-cp312-cp312-win_amd64.whl https://repo.radeon.com/rocm/windows/rocm-rel-7.1.1/torchaudio-2.9.0+rocmsdk20251116-cp312-cp312-win_amd64.whl https://repo.radeon.com/rocm/windows/rocm-rel-7.1.1/torchvision-0.24.0+rocmsdk20251116-cp312-cp312-win_amd64.whl導入が上手く行っていれば、以下のコマンドでGPUが認識されるはずだ。
python -c "import torch; print(f'device name [0]:', torch.cuda.get_device_name(0))"device name [0]: AMD Radeon RX 9070 XTのようにGPU名が表示されれば成功である。
ライブラリのインストール
ComfyUIの動作に必要な残りのライブラリを一括でインストールする。
pip install -r ./requirements.txt起動バッチファイルの作成と初期設定
起動バッチファイルの作成
毎回ターミナルを叩くのは面倒なので、ダブルクリックで起動できるバッチファイルを作成する。
ComfyUIフォルダの中に新規テキストファイルを作成し、以下の内容を貼り付ける。起動オプションは適宜編集してほしい。
@echo off
set PYTHON="%~dp0\venv\Scripts\python.exe"
set VENV_DIR=.\venv
set COMMANDLINE_ARGS=--use-pytorch-cross-attention --auto-launch --preview-method auto
%PYTHON% main.py %COMMANDLINE_ARGS%
pause保存する際、ファイル名をcomfyui-start.batなどし、拡張子を.txtから.batに変更する。
これをダブルクリックするとターミナルでComfyUIが起動する。使用している間、ターミナルは閉じてはいけない。(これがComfyUI本体。)
起動が完了すると自動的にブラウザでComfyUIの画面が開く。主にこの画面で操作をする。(ブラウザの自動起動については先程の起動オプションで指定している。鬱陶しい人は--auto-launchを消してほしい。)
初期設定
ComfyUIには様々な動作モードが存在するが、ひとまず基礎的なText-to-Imageを動作させる。
テンプレートの選択で、画像生成と検索し、1番目に出てくる紫の瓶が描かれた画像生成を選択。

モデルが見つからない、と怒られるのでダウンロードする。ダウンロードしたファイルはComfyUI/models/checkpoints/に保存しよう。
他にも使用したいモデルがあればこのディレクトリに保存する。

これで準備は完了。画面右上の実行するをクリックすると画像生成が開始される。

画像生成の途中ではKサンプラーノードの下にプレビューが表示される。(これも起動オプション--preview-method autoで指定しているため、邪魔だったら消そう。)
画像を保存ノードに大きく画像が表示されれば生成完了である。
お疲れ様でした!

参考資料



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