【Windows】RadeonでStable Diffusion環境構築【ComfyUI+ROCm7.2】

※当サイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を利用しています。

プログラミング

先日ROCm7.1.1での環境構築記事を公開したが、なんと一ヶ月経たずに7.2が公開されてしまい、情報が古くなってしまった。

そこでこの記事では、Radeon RX 9070 XT環境にて、WSL2等を使用せずにWindowsネイティブでComfyUI + ROCm7.2を用いた構築手順を解説する。Windowsで最新・最速のStable Diffusion環境を作りたい人の参考になれば幸いである。

また、ROCmのバージョン7系列が旧バージョン(ROCm 6.4)と比較して実際にどれくらい高速化しているのか、以下の記事で詳細なベンチマーク検証を行っている。
「まずは性能を確認したい」という方は、ぜひ先にこちらをチェックしてみてほしい。

動作環境と推奨パーツ

この記事は2026年2月現在の情報であり、AI分野は情報の陳腐化が早いため以下の内容が古くなっている可能性も十分にある。あくまでも「現時点での導入方法」として読んでほしい。

また、筆者が以前解説していた記事では、「HIP SDKはROCmの一部であり、インストールが必要」としていた。しかし、実際はROCmインストールの際に最新版のHIPが導入されており、別途インストールする必要はない。

また、この記事では以下の構成で動作確認をしている。これ以外の環境では動作確認していないのであしからず。

グラフィックボードはVRAMが重要

AI画像生成において、パフォーマンスを決定づけるのがVRAM容量だ。 私が使用しているのは Radeon RX 9070 XT (16GB)。NVIDIAの同等性能のモデルと比較して安価に手に入るのが最大のメリットだ。 「AI性能のピーク値」こそ譲るものの、個人の趣味で楽しむ分には十分な速度が出る。浮いた予算を他のパーツに回せるため、トータルの満足度は非常に高い。

私が実際に使用しているモデルはコチラ。PCパーツの価格は変動が激しいため、現在の価格は以下のリンクからどうぞ。

メモリは64GBを推奨

SDXLやFLUXなどの最新モデルを扱う場合、VRAMだけでなくメインメモリも大量に消費する。 32GBでも動作はするが、ブラウザや他のアプリを同時に開くと動作が重くなることがあるため、快適性を求めるなら64GBの搭載を推奨する。

2026年1月現在、DDR5メモリは価格が暴騰しているため、現在の価格はリンク先で確認してみてほしい……

ストレージには余裕を

画像生成AIは非常にストレージを圧迫する。特に、最近主流のFLUXなどの高画質モデルは、チェックポイント1つで10GB~20GB近く消費する。生成した画像の履歴や、ControlNet等の追加モデルも含めると、500GBや1TBでは運用が窮屈になりがちだ。後からデータを移行するのは手間がかかるため、最初から2TB、予算が許すなら4TBのM.2 SSDを用意しておくと、容量を気にせずモデルを収集できる。

速度とコスパのバランスが良いシリコンパワー製をおすすめする。

ただし、現在はメモリ高騰の影響でSSDの価格も上がっている。頻繁に読み込まない「生成した画像のバックアップ」や「使用頻度の低いモデルの保管」と割り切るなら、容量単価の安い大容量HDDを併用するのも賢い選択だ。なお、読み込み速度の関係上、よく使うモデルはSSD、保管はHDDと使い分けることで、コストを抑えつつ快適な環境が作れる。

倉庫用途では定番のBarraCudaがおすすめだ。

検証環境スペック詳細

項目スペック/バージョン
GPURadeon RX 9070 XT 16GB
CPURyzen 9 7900X
RAMDDR5 64GB
OSWindows 11 24H2
AMD Software26.1.1
ROCm7.2
Python3.12.10
PyTorch2.9.1+rocmsdk20260116
ComfyUI0.12.3

用語の解説

用語意味
Stable Diffusion(SD)AI画像生成の仕組みそのもの。
SD Web UI(A1111)AUTOMATIC1111氏が作成した、AI画像生成を行うための操作ツール。
ComfyUIノードベースのAIの画像生成ツール。A1111と比べてVRAM使用量が少なく、生成速度も速い。
ROCmRadeon Open Compute。AMDのGPUで計算を行うためのプラットフォーム。NVIDIAでいうCUDA。
HIP SDKROCmの一部分。NVIDIAでいうCUDA Toolkit。

事前準備

Gitのインストール

必須ツールのGit。ComfyUI本体やManagerの導入で使うため、まだの人はここから入れておこう。

Git

Pythonのインストール

Pythonは必ず3.12.10を導入すること。

内部で動いているPyTorchが3.12にしか対応していないため。また、3.12のインストーラーが提供されている中で最新バージョンが3.12.10である。

他の記事ではPATHを通すように書かれているが、今回はpyコマンドを使用するため必要ない。(もちろん追加しても問題ない。)

Python Release Python 3.12.10
The official home of the Python Programming Language

GPUドライバの更新

ROCm7.2を動作させるために特別なドライバが必要である。

事前に既存のドライバをDDU等でアンインストールすることが推奨される。(筆者の環境では上書きインストールでも問題なかった。)

AMD Software: Adrenalin Edition 26.1.1 Release Notes

インストール手順

ComfyUIのダウンロードと仮想環境の作成

ComfyUIをダウンロードしたいディレクトリをターミナルで開く。マルチバイト文字(日本語など)を含まないディレクトリにしよう。

ComfyUIをダウンロードし、Pythonの仮想環境を作成する。インストールするComfyUIのバージョンは-bオプションで指定できる。また、複数バージョンのPythonがインストールされていても、pyコマンドを使用することでバージョンを指定できる。(筆者はvenvを使用しているが、condaやuvなどお好きなツールを使用してOK。)

git clone https://github.com/comfyanonymous/ComfyUI.git -b v0.12.3
cd .\ComfyUI
py -3.12 -m venv venv
.\venv\Scripts\activate

ターミナルの行頭に(venv)と表示されれば成功。以降、この仮想環境の中で作業する。

ROCmとPyTorchのインストール

pipコマンドを使用してROCm関連ライブラリをインストールする。コピペしやすいように1行にしているが、合計4つインストールしている。

pip install --no-cache-dir https://repo.radeon.com/rocm/windows/rocm-rel-7.2/rocm_sdk_core-7.2.0.dev0-py3-none-win_amd64.whl https://repo.radeon.com/rocm/windows/rocm-rel-7.2/rocm_sdk_devel-7.2.0.dev0-py3-none-win_amd64.whl https://repo.radeon.com/rocm/windows/rocm-rel-7.2/rocm_sdk_libraries_custom-7.2.0.dev0-py3-none-win_amd64.whl https://repo.radeon.com/rocm/windows/rocm-rel-7.2/rocm-7.2.0.dev0.tar.gz

次に、torch、torchvision、torchaudioをインストールする。

pip install --no-cache-dir https://repo.radeon.com/rocm/windows/rocm-rel-7.2/torch-2.9.1%2Brocmsdk20260116-cp312-cp312-win_amd64.whl https://repo.radeon.com/rocm/windows/rocm-rel-7.2/torchaudio-2.9.1%2Brocmsdk20260116-cp312-cp312-win_amd64.whl https://repo.radeon.com/rocm/windows/rocm-rel-7.2/torchvision-0.24.1%2Brocmsdk20260116-cp312-cp312-win_amd64.whl

導入が上手く行っていれば、以下のコマンドでGPUが認識されるはずだ。

python -c "import torch; print(f'device name [0]:', torch.cuda.get_device_name(0))"

device name [0]: AMD Radeon RX 9070 XTのようにGPU名が表示されれば成功である。

ライブラリのインストール

ComfyUIの動作に必要な残りのライブラリを一括でインストールする。

pip install -r ./requirements.txt

ComfyUI-Managerのインストール

ComfyUI-ManagerはComfyUIの利便性を向上させるための拡張機能である。一緒に導入しておこう。

cd ./custom_nodes
git clone https://github.com/Comfy-Org/ComfyUI-Manager.git
cd ..

起動バッチファイルの作成と初期設定

起動バッチファイルの作成

毎回ターミナルを叩くのは面倒なので、ダブルクリックで起動できるバッチファイルを作成する。

ComfyUIフォルダの中に新規テキストファイルを作成し、以下の内容を貼り付ける。起動オプションは適宜編集してほしい。

@echo off

set PYTHON="%~dp0\venv\Scripts\python.exe"
set VENV_DIR=.\venv
set COMMANDLINE_ARGS=--use-pytorch-cross-attention --auto-launch --preview-method auto


%PYTHON% main.py %COMMANDLINE_ARGS%
pause

保存する際、ファイル名をcomfyui-start.batなどし、拡張子を.txtから.batに変更する。

これをダブルクリックするとターミナルでComfyUIが起動する。使用している間、ターミナルは閉じてはいけない。(これがComfyUI本体。)

起動が完了すると自動的にブラウザでComfyUIの画面が開く。主にこの画面で操作をする。(ブラウザの自動起動については先程の起動オプションで指定している。鬱陶しい人は--auto-launchを消してほしい。)

初期設定

ComfyUIには様々な動作モードが存在するが、ひとまず基礎的なText-to-Imageを動作させる。

テンプレートの選択で、画像生成と検索し、1番目に出てくる紫の瓶が描かれた画像生成を選択。

モデルが見つからない、と怒られるのでダウンロードする。ダウンロードしたファイルはComfyUI/models/checkpoints/に保存しよう。

他にも使用したいモデルがあればこのディレクトリに保存する。

これで準備は完了。画面右上の実行するをクリックすると画像生成が開始される。

画像生成の途中ではKサンプラーノードの下にプレビューが表示される。(これも起動オプション--preview-method autoで指定しているため、邪魔だったら消そう。)

画像を保存ノードに大きく画像が表示されれば生成完了である。

お疲れ様でした!

モデルごとの速度比較ベンチマーク

前回構築した環境(ROCm 7.1)で、実際にどれくらいの生成速度が出るのか、旧バージョンと比較してどれほど高速化したのかを検証した。 以下の記事で詳細なベンチマーク比較を行っているので、ぜひ合わせて読んでみてほしい。

参考資料

ROCm 7.2.0 release notes — ROCm Documentation
PyTorch via PIP installation — Use ROCm on Radeon and Ryzen

コメント

タイトルとURLをコピーしました